「あれ? このお客様、前回の会話で何を話したっけ…?」
「カラーの薬剤、前回と同じでって言われたけど、メモが見つからない!」
サロンワーク中に、こんなヒヤッとした経験はありませんか? 毎日たくさんのお客様と接していると、一人ひとりの詳細な情報をすべて頭の中に記憶しておくのは、正直言って不可能です。
でも、お客様にとっては「私を担当してくれる唯一のスタイリスト」。
前回の会話を忘れられていたり、好みを把握されていなかったりすると、言葉には出さなくてもがっかりしてしまい、静かに失客に繋がってしまうことだってあります。
そこで重要になるのが「顧客管理」です。
ただ名前と電話番号を記録するだけではありません。 お客様との「関係性」を記録し、次の来店に繋げるための武器にするのです。
今回は、美容室における顧客管理の重要性と、紙のノート・Excel・POSシステムそれぞれのメリット・デメリットを徹底的に解説します。
あなたのサロンに最適な方法はどれなのか、一緒に見ていきましょう。
なぜ美容室に「顧客管理」が必要なのか?

顧客管理は、単なる「名簿作り」ではありません。お客様がサロンに抱く「信頼残高」を積み上げ、リピーターになってもらうための土台作りです。
失客理由の第1位をご存知ですか?
ある調査によると、お客様が美容室を変える理由の第1位は、技術への不満でも料金でもなく、「なんとなく」だということをご存知でしょうか?
約60%のお客様は、特別な不満がなくても、時間が経つにつれてサロンの存在を忘れ、 「次はクーポンがあった別の店に行ってみようかな」と浮気をしてしまいます。
逆に言えば、「自分を大切にしてくれている」と感じさせることができれば、この「なんとなく失客」は防げるのです。
「あなただけのカルテ」が感動を生む
例えば、半年ぶりに来店されたお客様に対して、 「○○さん、前回お話しされていた飼い猫ちゃんの体調はいかがですか?」 と一言声をかけられたらどうでしょうか?
「えっ、半年も前の雑談を覚えていてくれたの!?」と驚き、感動するはずです。 この瞬間、お客様の中であなたは「ただの美容師」から「私のことを理解してくれるパートナー」に変わります。 これが顧客管理の本当の目的です。
人間の記憶力には限界があります。だからこそ、システムという「外部脳」を使って記憶を補完し、 目の前のお客様に最高のホスピタリティを提供する必要があるのです。
管理すべき「3つの情報」とは?

「名前と電話番号くらいしか書いていない」という方は要注意。 リピート率が高い人気スタイリストほど、以下の3つの情報を驚くほど細かく記録しています。
①基本情報(属性データ)
名前、住所、生年月日などの基礎データ。DMを送るために必須ですが、実は「職業」や「家族構成」も重要です。「ママさんなら平日の午前中が狙い目」など、ライフスタイルに合わせた提案ができます。
②技術情報(施術履歴)
いつ、どんなメニューをしたか。カラー剤の配合比率(レシピ)、ロッドの選定など。「前回と同じで」と言われた時に100%再現できるかどうかが、プロの信頼感に直結します。
③定性情報(会話・好み)
実はこれが一番重要。「珈琲はブラック派」「最近転職した」「雑誌は読まない」など。接客の地雷を踏まないためにも、会話のネタをストックするためにも欠かせません。
【徹底比較】紙・Excel・POSシステム、どれを選ぶ?

それぞれの管理方法には明確な向き・不向きがあります。
コストだけで選ぶと、後々「時間が足りない!」と後悔することになります。
ご自身のサロンの規模に合わせて選んでみてください。
紙のカルテ・ノート管理
昔ながらの方法です。50音順のインデックスファイルに入れて管理しているサロンも多いでしょう。
スタッフ全員が直感的に書き込めるのが最大のメリットですが、顧客数が増えると破綻します。
メリット
デメリット
→向いているサロン:顧客数100名以下の個人サロン
Excel・Googleスプレッドシート
「とりあえず無料でデジタル化したい」という方が選びがちな方法です。
確かに計算は得意ですが、美容室の現場で使いやすいかというと疑問が残ります。
メリット
デメリット
→向いているサロン:PCが得意で、顧客情報を分析だけしたい方
POSシステム(A’staff Cloudなど)
美容室業務に特化して開発されたシステムです。
予約、レジ、電子カルテ、分析がすべて連動しています。
コストはかかりますが、それを上回る「時間短縮」と「売上アップ」が見込めます。
メリット
デメリット
→向いているサロン:売上を伸ばしたい全てのサロン、スタッフを雇っているサロン
2025年の常識!「攻め」の顧客管理へ

2025年の今、顧客管理は「情報を守る(記録する)」フェーズから、「情報を活用して攻める」フェーズに移っています。
ただ待っていても、お客様は戻ってこない
紙のカルテやExcelで管理していると、「誰が失客しそうか」に気づくのは難しいものです。 気づいた時には、最終来店から半年が経っていて、もう手遅れ…ということがよくあります。
最新のクラウド型システム(例えばA’staff Cloudなど)なら、これが自動化できます。
システムができる「攻め」の例
自動リマインド
「そろそろカットの時期ですね」とDM・LINEを送信
お礼メッセージ
来店の翌日にThank youメールを送る
ターゲット配信
「今月誕生日の人」「縮毛矯正を3ヶ月前にした人」だけに絞ってクーポンを送る
これをオーナー様が手動でやろうとすると、毎晩何時間もかかってしまいます。
システムに任せられる仕事は任せて、人間は「接客」と「技術」という、人間にしかできない仕事に集中するべきです。
まとめ:未来の売上のために投資しよう

美容室の顧客管理は、面倒な事務作業ではありません。お客様一人ひとりに寄り添い、長く愛されるサロンを作るための「愛情表現」のひとつです。
「今はまだ小さいお店だからノートで十分」と思っているかもしれません。しかし、お店が忙しくなってからシステムを導入しようとすると、膨大な紙カルテの移行作業に追われることになります。
もしあなたが、将来的に「お客様に長く愛されるサロン」を作りたいと考えているなら、 早いうちから「写真も保存できて、分析もできるクラウドPOSシステム」を導入することを強くおすすめします。
A’staff Cloudなら、iPadを使った手書き電子カルテから、高度な分析、LINEマーケティングまで、 美容室経営に必要な機能がすべて揃っています。
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